歯科コラム

日本は皆保険制度のため、基本的に多くの歯科処置は、健康保険によって自己負担額が安価に抑えることができます。入れ歯も保険を利用して、安価に作ることができるため、入れ歯本体は3割負担の場合、5000円から15000円程度です。

もちろん設計や、治療にかかる回数にもよるため、総額は患者様それぞれによって異なります。

入れ歯治療をする際に、“自費の入れ歯”についてご説明を受けたことはないでしょうか？

今回は、自費の入れ歯のメリットについてご紹介いたします。

通常、保険診療ではバネ（クラスプ、バー）などに使われる金属の材質や設計が決まっています。しかし、自費の入れ歯の場合、材料の選択や、設計の自由度が高いことが装着の違和感を減少させることへとつながります。

例えば、上顎を大きく覆う入れ歯の場合、保険診療ではレジンによる材質のため厚みのある設計になり、慣れるまで装着に違和感があります。

しかし、自費診療の場合には、金属を使うことで、厚みを削減し、違和感を軽減することができます。また、金属を介して熱も伝わりやすいため、飲食物の温度を感じやすく、食事のうま味や、やけどの危険性も軽減できます。

入れ歯であることをあまり知られたくないといった方には、金属の金具のないノンクラスプデンチャーという入れ歯を作ることができます。これまでの保険の入れ歯では、すぐに外れる、動いて気になるといった方には、入れ歯と残存歯に、磁石やアタッチメントという部品を取り付けて、動きを制限することで装着時の違和感を軽減する設計にすることも可能です。インプラントと併用する入れ歯など様々な設計が考えられます。

自費の入れ歯をお考えの場合には、現在の保険の入れ歯にはどのような不具合があるのか、どういった使用が理想的かなど、カウンセリング時に十分に歯科医師に希望を伝えてみましょう。様々なご希望を考慮し、患者様それぞれのご希望とお口の状態に沿った入れ歯を設計します。